ハンバーグの歴史

vol.06

知られざる和風ハンバーグの歴史

日本のハンバーグ文化の発展に大きく貢献してきたのがファミリーレストラン。いわゆるファミレスです。
(詳しくは…ファミレスの登場・1970年の「ヌーベルバーグ(新しい波)」をご覧ください)

ファミレスの絶対的な看板メニューであるハンバーグは、時代に合わせて様々なバリエーションが登場してきました。
中でも、エポックメイキングなハンバーグが、老若男女問わず根強い人気を集める「和風ハンバーグ」。こちらが専門店や食卓で欠かせないメニューとなったのは『デニーズ』が大きなきっかけとなっていることをご存知でしょうか?

デニーズ 和風ハンバーグ

▲デニーズの和風ハンバーグ 699円(税込754円) ※2018年1月現在

デニーズは1973年にアメリカのレストラン大手のデニーズ社と技術援助契約を結び、デニーズジャパンを設立。(1984年に商標権を買い取り契約解消)
翌1974年4月、横浜市のイトーヨーカドー上大岡店1 階に初の日本店舗となる1号店をオープンしました。(昨年、約43年の歴史に幕を閉じたのは記憶に新しいところです)

1号店のコンセプトは「アメリカのデニーズの再現」。
なので、メニューや制服、厨房設備、オペレーションにいたるまでアメリカと同じスタイルを踏襲し、メニューにも「ハンバーグ」の表記はなく、アメリカの食文化である「ハンバーガー」、または「ステーキ」を販売していました。

和風ハンバーグがデニーズに登場したのは開店から3年後の1977年のこと。アメリカ人がイメージする「和風」の意味合いが強かったので、醤油ベースにごま油や醤(ジャン)を効かせた少しスパイシーなソースとして販売が始まっています。

デニーズ 1977年頃のメニューブック

▲貴重な1977年頃のデニーズのメニューブック。写真右下が和風ハンバーグ
【画像提供: セブン&アイ・フードシステムズ】

当時のメニューブックには、いわゆる“和風=Japanese style”ではなく、“和風=Oriental” と英語の表記が。ここからもアメリカがイメージする和風=東洋といった背景が伺えるのが面白いですね。

時代が変われば好みも変わり、食体験も豊かになります。和風ソースも、ハンバーグ自体も幾度となくブラッシュアップを重ねていますが、味わいのベースと、ソテーしたネギを添えるスタイルは当時と変わらぬままに現在も提供中です。

デニーズ 和風ハンバーグの盛り付けとお皿の変遷

▲デニーズの和風ハンバーグの盛り付けとお皿の変遷
【画像提供: セブン&アイ・フードシステムズ】

家庭の食卓では、和風ハンバーグというと「おろしポン酢」をイメージする方が多いかも知れません。
これはポン酢の代名詞メーカーであるミツカンが、看板商品の『味ぽん』を鍋以外の用途にも使える年間商品にすべく、1983年頃より普及活動をしてきたのがきっかけと言えるでしょう。
「おろし焼肉」から始まり、89年にはポン酢を使った「おろしハンバーグ」を提案。さっぱりヘルシーに楽しむスタイルが人気を拡大して行きました。

和風おろしグーグー

また、94年にはキッコーマンが『ステーキしょうゆ』シリーズとして「あらびきおろし」を家庭用商品として発売開始。96年には業務用の大容量サイズも発売となり、和風ハンバーグがより身近な存在となりました。

デニーズの和風ハンバーグは、数多い定番メニューの中でも常にトップ10圏内の人気を誇るそうです。つまり、それだけ完成度が高いハンバーグといえるでしょう。
とろみの付いた醤油ソースの「元祖」の味わい、あらためてデニーズで楽しんでみてはいかがでしょうか?